慢性頭痛治療をサポートする頭痛外来

頭痛外来が登場する以前の日本では、生命を優先するため二次性頭痛の治療が優先され、一次性頭痛は軽視されていたため、患者本人が頭痛を感じているのに、病院の検査では異常が確認されないといったことがありました。頭痛の原因には、くも膜下出血や脳腫瘍などを原因として二次性のものと、ズキズキしたり目の奥がえぐられるように痛い、吐き気を感じるといった一次性のものがあります。2005年に日本で国際頭痛学会が開催されたことを機に頭痛認定医制度や頭痛外来が登場するようになり、頭痛治療が大きく進展しました。頭痛外来での治療は、予防薬、治療薬、環境改善の3つが中心になります。

日常生活を大きく阻害する一次性頭痛の原因は脳神経に起因していることから、神経の興奮を抑えたり、血管へのストレスを沈めるために薬剤が中心になります。以前では治療が難しかった片頭痛や群発頭痛などには、トリプタン製剤を使うことで治療効果も向上しています。これに加えて、生活環境の改善のアドバイスがなされます。具体的には、寝不足の解消、寝過ぎの改善、精神的なストレスを解消する、光や臭いといった刺激を避ける、頭痛の原因となる食べ物などを避けることが大切です。

これ以外にも頭痛外来によっては、脳と心と体の調和を目指した全人的な治療するクリニックもあります。頭痛外来では、最先端の画像診断・血液検査を行い、片頭痛と間違えやすい椎骨動脈解離などを発見することができます。慢性頭痛を感じるときは、できるだけ早く専門外来に訪れることで原因を明らかにすれば、効果的な治療につなげましょう。